- おや
- I
おや(感)(1)意外なことに出合ったりしたときなどに, 軽い驚きを表す語。
「~, 山田さんではありませんか」
(2)軽い疑いを表す語。II「~, 道を間違えたかな」
おや【親・祖】(1)子を生んだ人, または, 他人の子を自分の子として養い育てる人。 実父母・養父母の総称。 《親》「生みの~より育ての~」「養い~」(2)子をもっている生物。 《親》「~鳥」(3)他の物を生ずるもととなるもの。 《親》「~芋」(4)物事の中心になるもの。 《親》「~会社」(5)同種のもののうち, 大きなもの。 《親》「~指」(6)勝負事の際, 札配りなど競技の中心的な役割にあたる人。 また, その役。 《親》(7)無尽・入札などの際の発起人。 《親》{(1)~(7)}⇔ 子(8)もののはじめ。 元祖。 《祖》「物語の出できはじめの~なる竹取の翁に/源氏(絵合)」(9)祖先。 《祖》「人の子は~の名絶たず/万葉 4094」「遠つみ~」~思う心にまさる親心〔吉田松陰の歌「親思ふ心にまさる親心今日のおとづれ何と聞くらん」による〕子が親を思う心以上に, 親の子を思う心は深い。~に似ぬ子は鬼子(オニゴ)((オニツコ))親に似ない子は人の子ではなく鬼の子である。 子は親に似るのが普通である, の意。~の因果(インガ)が子に報(ムク)う親のした悪業の報いが罪もない子に現れる。 親の罰(バチ)は子にあたる。~の顔が見たいしつけの悪いよその子の言動に, 驚きあきれて言う語。~の心子知らず子を思う親の心を子は察しないで勝手な振る舞いをする。~の臑(スネ)を噛(カジ)る子が経済的に自立できないで, 親の扶養を受ける。~の光は七光(ナナヒカリ)〔「七」は大きな数としていう〕子の出世や評価に大きく貢献する, 親の高い社会的地位や名声などの威光。 親の光は七とこ照らす。 親の七光。~の欲目(ヨクメ)親が愛情から自分の子を実際以上によいと思うこと。~は無くとも子は育つ親がいなくなっても, 子供はなんとか育っていくものである。 世の中のことはさほど心配したものではないというたとえ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.